好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
次の日の朝。
「ふわぁ〜…」
「うわ、でっけー欠伸」
「うるさいよ、ガーリックバカ」
「フハッ、何だよそれ!」
今日の登校は、たまたまタイミングが合った大志と一緒。
中学が同じだからか、私達は比較的家が近い。
お互い歩いて10分ほどの距離だ。
ちなみに、中学は私の家の方が近かったけど、高校になると大志の家の方が近かったりする。
「大体、俺はガーリックサンドバカであって、ニンニクバカではない」
「じゃあチョコバカ?」
「…なんかそれ微妙じゃね?」
プッ、と同じタイミングで吹き出して笑う。
朝からこんなに楽しい登校が出来るのは大志がいるおかげだ。
本当は毎朝約束して一緒に行きたいところだけど、恋人でもない私達がそこまですることはまずないから。
だから、通学路で登校のタイミングが合う朝は私にとっては幸せな1日の始まりだったりする。