好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
───ピーッ!
試合終了のホイッスルが、音を鳴らした。
「舞!!」
キラキラとした汗を流して、笑顔の大志が駆け寄って来てくれるのが見える。
あぁ。その笑顔をずっと私だけが見ていたい。
そう思うことは、私のワガママなんだろうか。
「勝ったぞっ!」
私の元へ来てくれた大志は、とびきりの笑顔を見せて私の頭をワシャワシャと撫でた。
「ちょ、ボサボサになるって…っ!」
「ははっ、変な髪型〜」
「もう!誰のせいだと!!」
いつものように私に触れる大志の手が、指が。私に向ける笑顔全てが。
いつも以上に堪らなく愛おしく感じるのは、─────どうしてなんだろうか。