好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「あーもう。見てられないな」
「へ?」
それに見兼ねたらしい加賀さんが、私の仕事を代わってくれた。
「桐原さん、レジのところにいて。今日のホールは俺がやるから」
「…すみません」
加賀さんのその言葉に甘えて、私はホールからレジへとポジションを移動する。
情けない。
バイトリーダーのくせに。年上とはいえ、1ヶ月半前に入った人にフォローされるだなんて。
それでもこのままじゃお客さんにまで迷惑がかかってしまいそうで、私は加賀さんに甘えざるを得なかった。
2日前の、あのクラスメイトが話していたことが頭を離れない。