好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
信じたくないのに、嘘だと願いたいのに。
私はこの2日間、大志の言動一つ一つを疑ってしまっていた。
好きだ、と言ってくれる大志。
普段の会話はバカばっかりだけど、不意に見せてくれる彼氏らしい一面には、嘘は見られない。
──────カランカラン、
「いらっしゃい─────って、何してんの」
不意に、来店を知らせるベルの音が鳴った。
曇っているであろう顔から必死に笑顔を取り繕って迎えたのに、そのお客さんは今私が悩んでいる元凶主。
「よっ」
「よっ、じゃないでしょ。どうしたの?珍しいね、大志が休日に来るなんて」
それなのに、顔を見れただけでどこか嬉しくなってしまうのはどうしたらいいんだろうか。