好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「お、今日は桐コンビで登校か〜」
「おはよー、莉里」
「うーっす」
教室へ入れば、先に登校していた莉里が私にだけ分かるようにニヤッと笑った。
はいはい、後でイジられてやりますよ。
莉里は私の大志の話を聞くのが…というか、その話をする私をからかうのが好きだ。
だからこそ、こうして一緒に登校して来た日とかは話を聞きたがる。
あ、その前に佐山くんと別れたことを伝えないとな。
大志がユカリちゃんと別れたことも。
「え、まじですか」
「うん、まじです」
席に座って早速話せば、意外と莉里は驚いていた。
だって私が別れることも、大志が別れることもよくある話。
それなのに驚いていたのは別の観点からだったみたいで。