好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
胸元まではだけたブラウスが目に入って、こんな時なのに心臓はドクンと音を鳴らす。
……舞が、自分から迫ってくるだなんて。
「舞、」
「…っ」
名前を呼んだだけなのに、大好きな彼女は俺の声でビクッと肩を強張らせてしまう。
「…ごめん。ごめんな、舞」
そう言いながら、俺はベッドサイドにあったシーツを彼女の肩にかけた。
本当は、思いっきり抱きしめてやりたい。
たくさんキスして、全て伝えて、めちゃくちゃになるくらい愛してやりたいのに。
今俺のせいで涙で肩を震わせる彼女に、そんな軽率なことが出来るわけもない。