好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
大体、21時に女の子を1人でスーパーへ寄越すというのは何事なんだろうか。
そう疑問に思うけれど、もう何回目か分からないこの呼び出しにはもう慣れた。
断ればいいはずなのにノコノコ素直にやってきてしまう私も人のことは言えないし。
「舞は?なんか買う?」
「買わない」
「あ、そう」
素っ気ない私の態度にも御構い無しで、大志は安定の梅味ポテチを手にレジへと向かう。
私はただその後ろ姿を眺めていた。
「おーっし、じゃあ帰るかー」
「ほーい」
大志がレジから戻ってきた頃には時刻は21時10分。
それは、私がこのたった10分のためだけに呼び出されたことを示している。
もう本当に訳が分からない。
意図が読めない大志も、そんな大志のためにわざわざ出向いてる自分にも腹が立つ。
それでも、
「大志。あんたの家過ぎたよ?」
「んー?そーだな。んじゃついでに送ってくわ」
「うわ、下手な嘘」
「うっせ」
こういう所にキュンとしてしまう私は余程こいつに惚れてしまっているらしい。