好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「じゃ、お祝いするか!」


それからすぐに、大志は思いついたようにニヤッと笑う。




「は?何のよ」

「何って、俺達がフリーになったお祝い」



急に変な話を持ち出した大志に、もうツッコミどころは満載だった。


大体、2人とも恋人を失ったのにお祝いって…。



バカだ、こいつ。お気楽星人すぎる。




「あ、いいねーっ。あたしも久しぶりに部活休みだし!パーッとやろう?」

「さっすが莉里!ノリいいな」

「へへー」



そこに何故か莉里まで便乗してしまい、計画が進んでいく。



大志が女の子を全て名前で呼び捨てなことにはもう慣れた。


ヤキモチなんて、もう妬いていられない。




「よーし。じゃあ放課後、ラーメン行くぞ」

「いえーい」

「え、は。本気で言ってるの?」



私が考え事をしてる隙に計画は実行へ。



もう止めることもできず、私達は放課後、"フリー祝い" とやらで何故かラーメンを食べにいくことになった。



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