好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「舞がどれだけ大志くんのこと好きだったか知らないでしょ」

「は?なんだよ、それ」



そして、更に莉里はそんなことを聞いて来る。


莉里との仲もそれなりに良いはずなのに、舞のことになるともう完全に俺には怒りしか向けられていなかった。




「中1の頃からずっと好きで、ずっと大志くんだけを見てきたんだよ?」

「…なぁ。それマジなの?」

「何よ、知らなかったわけ?」

「……。昨日知った」



だって、今まで一言も舞はそんなことを言わなかったし。



そんな俺の把握状況に、目の前の莉里は盛大にため息を漏らす。




けど、舞は高校に上がってからいろんな男と付き合い始めた。


4年間好きでいてくれたのが本当だとしたら、そこはどうも納得がいかない。



…なんて、どの分際で言ってんだって感じだけど。



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