好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「俺とんこつー」
「あたし味噌ー」
「じゃあ塩で」
放課後、本当にやって来てしまったラーメン屋さん。
出来立て熱々のラーメンどんぶり3つが並べば、早速大志と莉里は食べ始めた。
「ふー、ふー…」
一方、猫舌な私はひたすら冷ます。
「お前って、本当尊敬するレベルの猫舌だよな」
「…それ褒めてないよね?」
「好きに捉えてくれ」
そう言いながら、ウマっ、なんて呑気に言ってズルズルと啜る大志。
こんな奴が女子にモテてしまうんだから不思議だ。
「ほら舞。冷めちゃうよ?」
「冷ましてるんですー」
莉里も莉里で呑気に食べていて、一番最後まで食べていた人はやっぱり私だった。