好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「頑張れよ」だなんて背中を押され、とりあえず大元は解決。
けどこんなことで安心できる状況だなんてことは毛頭なく、俺にはまず舞と会話をするというミッションが残されていた。
夏休みまであと2日もない。
正直、あとそれだけの時間で舞に取り合える自信もない。
けど、俺はやらないといけないんだ。
一瞬。
本当に一瞬だけ、舞のバイト先にいるあの年上の男の顔が頭をよぎった。
気のせいだと願いたいけど、少なからず良い予感はしない。
考えたくはないが、舞がもう俺の手の届かないところへ行ってしまう前に手を打たないと。
俺の脳裏には、舞の笑顔ではなく泣き顔がずっとこびりついて離れなかった。