好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「んー、多分行くかな」

「多分なんだ」

「いや、確実に行く」

「あ、そう」



聞いた私がバカだった。


松永くんが惚気てくる。




「桐原さんは?行かないって選択肢はないでしょ?」

「…勝手に人の選択肢減らさないでくれるかな?」




おまけに、私の夏祭りの予定まで決めてきた。




確かに、中1から行かなかったことはないけれど。


でも、グループで行くにしても何にしても、必ずそこには大志の存在があったから。




「今年は行かないかな、多分」




だから、正直に言えば大志がいない夏祭りには興味がない。


というか、思い出しかなくて行くのが辛いというのが本音だ。




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