好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



手が。加賀さんの手が、私の左手に触れている。というか、握られている。



驚いて顔をあげれば、いつになく真剣な加賀さんの目が私を捉えていた。




この感じ…知っている。



あいつのために、この高校生活は男にだらしなく生きてきたんだ。


私から告白したことだなんて、一度もない。






「好きなんだよね。桐原さんのこと」



加賀さんの口から、静かにそう告げられた。




「え、…と」


分かっていたことでも、当然頭は大混乱なわけで。



そもそも加賀さんから告白されるだなんて思ってすらいなかった私は、どう反応すればいいのか分からず固まってしまう。




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