好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「仕方ないから送ってってやるか」
「そりゃどーも」
本来大志が曲がるべき角を通り過ぎて、大志は私の家路に入る。
なんだかんだで辺りが暗くなる時間帯であれば、こいつは必ずと言っていいほど私を家まで送ってくれていた。
「舞お前、もっと可愛い返事できねーの?」
「…じゃあ送ってくれなくていい」
「や、そこは紳士として送るけど」
「きゃー。やっさしー。」
送らなくていいと言っても送ると言い張る大志だから、ちゃんと褒めたのに。
私の言葉に対して「棒読みすんな」と頭をペシッと叩かれてしまった。
「あ、そういえばさ」
「ん?」
もう少しで家だというときに、大志が再び口を開く。