好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「仕方ないから送ってってやるか」

「そりゃどーも」


本来大志が曲がるべき角を通り過ぎて、大志は私の家路に入る。



なんだかんだで辺りが暗くなる時間帯であれば、こいつは必ずと言っていいほど私を家まで送ってくれていた。



「舞お前、もっと可愛い返事できねーの?」

「…じゃあ送ってくれなくていい」

「や、そこは紳士として送るけど」

「きゃー。やっさしー。」



送らなくていいと言っても送ると言い張る大志だから、ちゃんと褒めたのに。


私の言葉に対して「棒読みすんな」と頭をペシッと叩かれてしまった。




「あ、そういえばさ」

「ん?」


もう少しで家だというときに、大志が再び口を開く。



< 23 / 280 >

この作品をシェア

pagetop