好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「好きだよ、舞ちゃん」
「…〜っ!」
私の耳元でそう囁く加賀さんに、思わず息を飲んだ。
「俺を振るつもりなら、彼と仲直りしてよ。そしてまた笑って?そうじゃないなら、俺も諦めるつもりはない」
真っ直ぐで、けど切なげにも聞こえるその言葉に、胸がドクンと波打ったのが自分でもわかる。
あぁ、どうしよう。
少し。ほんの少しだけ、揺れてしまった。
「か、がさん…」
「ん?」
「そんな無茶、言わないでください…」
やっと絞り出した言葉は、少し震えている。