好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
◇ 涙の誕生日
「舞」
「…っ」
朝家を出て、驚いた。
今日から9月。また、学校が始まる。
夏休み前のように早めに家を出たというのに、私の家を出た瞬間、一番会いたくて会いたくない人物が目の前に立っていた。
な、んで…。
いつもの時間じゃないのに、なんでいんのよ。
文句はたくさん出てくるというのに、いざ大志を目の前にして出てくる言葉がない。
…会いたかった。
その言葉がぽろっと出てしまいそうで、必死に言葉を飲み込む。