好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「次の彼氏の目処、立ってんの?」
「…は?」
一瞬、耳を疑った。
本気で、こいつはバカなんじゃないかと思う。
次の彼氏って…。昨日の今日で出来るわけがないじゃないか。
それに、私はあんたが好きなのに。
「そんなわけないでしょ」
「だよなー。安心した」
「え?」
安心した、という言葉を過剰に拾った。
なにそれ、どういう意味よ。
「あ、いや、違ぇよ?舞に先に彼氏作られたら負けるなーと思って」
「…くだらない」
怪訝な顔をしたのがわかったのか、大志はどこか慌てた様子で苦笑する。
私に彼氏が出来て欲しくない、って、少し期待してしまう意で捉えてしまった。
そんなわけないのにね。