好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。




「あれ?なんで2人が一緒に…?」

「…知らない」



学校に着いて教室へ入れば、先に来ていた莉里が私の横にいる大志を見て目を丸くさせた。



私は知らんぷりをしてそのまま席へ着くけど、隣の席である大志も当然私の隣へと座る。




「舞、帰りも一緒にだからな」

「もう好きにして」



大志のその言葉に、素直じゃない返事をするしかできない。


それなのに、帰りも一緒だということにドキドキしてる自分も自分だった。




「舞、どういうこと?」

「いや、ちょっと…」



この異様な温度差を不思議に思ってか、莉里がこっそりと耳打ちをしてくる。


それに対して私は苦笑いしかできず、詳しい説明は昼休みまでお預けとなった。



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