好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



***



「…なるほど、そういうことね」

「はぁ〜…。どうしよう、莉里」



そしてやっと話せた昼休み。



夏休み前までなら教室で食べていたお弁当も、大志がいるからという理由でわざわざ中庭にまで移動して来た。




「…やっと動いたんだね、大志くん」

「え?なんか言った?」

「ううん、こっちの話」



莉里が何やらボソッと言った気がしたけど聞き取れず。



「あ、あともう一つ話してないことあったんだけど」

「ん?何?」



そして昨日の夏祭りでの出来事も合わせて話せば、莉里は持っていたお箸をポロッと落としてしまった。


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