好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「愛されてるって…」
思わずトレーに乗った奴の注文した品を見つめ、ブンブンと首を振る。
そんな自分の都合のいいように考えたって、現実はそうじゃないことくらいわかってる。
大志は、私と親友に戻ろうと努力してくれているだけだ。
それを、弱い私が避けてるだけ。
「本当に別れたの?桐原さん」
「…前も言ったでしょ。別れました」
「えー。やっぱり信じられないなぁ」
私の別れたという報告を聞いてるはずなのに、未だに松永くんは疑ってかかる。
しつこいよ、松永くん。
私はあいつとクラスの男子たちに標的にされた賭けの対象なんだから。
それにあいつには私と別れた後の次の候補が……って、あ。