好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



大志と電話をするだなんて、酷く久しぶりな気がする。


最後に電話したのは球技大会の時期だから、もうかれこれ1ヶ月以上ぶりだ。



『バイト、お疲れ』

「ん。ありがと」


くだらない話をしていた頃が懐かしいくらいに、私達はお互いに話す内容を探ってる。




『舞』



数秒の沈黙のあと、大志が私の名前を呼んだ。


芯の通った声に、ドクンと胸が鳴る。




『俺、舞のことはただ仲がいい親友だと思ってた』


そして紡ぎ出された言葉は、私の胸をキューっと締め付けるには十分だった。




やっぱりそうだったんだ。


そう思った私に、「でも」と大志は言葉を続ける。



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