好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
◆ どんな手を使ってでも
* 大志 side **
正直、気付きたくなかった。
女の子なんてこの世にはいくらでもいて、俺の相手をしてくれる子だっていくらでもいるというのに。
親友の存在が気になって仕方ない。そんな自分がいたんだ。
「…こんな時間に何よ、このバカ」
「ん?勉強のお供探し」
「はぁ〜…」
目の前に立つ親友、舞は、そんな呑気な俺に大きなため息を吐いた。
時刻は21時。場所は近所のスーパー。
俺のこんな突然の呼び出しなんてよくあることだ。
だから、なんだかんだで舞が最後まで付き合ってくれることも知っている。
「どーせこれでしょう?」
「や、今日は甘い物の気分」
「じゃあこっちだね」
ちなみに、俺が選ぶお菓子の好みもこいつは完全に把握していた。