好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「あ〜。これからも舞はあいつと一緒に仕事すんのか〜…」
「それは仕方ないでしょ?」
「くそー」
CATを出て帰り道を歩きながら、俺はやり切れなくて空を仰ぐ。
こんなことで嫉妬するなんて小さいかもしれないけど、俺にはそれくらいに舞への気持ちが大きかった。
「大丈夫だって」
ギュッ、と。
俺の左手に舞の右手が重なったのは、そんな時。
思わずドキッとして舞の顔を見れば、舞は笑顔を向けてこう言った。
「私はずっと大志しか見てないから」と。