好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「…舞さん、抱き締めてもいいですか」
「は?何でそうな……ちょっとっ!」
通りかかった路地裏へと、繋がれた手を引いて行く。
そしてそのまま強く抱き締めれば、なんだかんだで舞も俺の背中に手を回してくれた。
今のは、ダメだ。
不意打ちすぎる。
「可愛すぎだろ、お前」
「は、はぁ…っ!?」
俺の腕の中で照れているであろう舞が、可愛くて仕方ない。
「本当、お前なんなの。好きすぎてムカつくんだけど」
挙句にはよくわからない告白もしてしまうし。