好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「………」
その姿が、妙に愛おしく思えてきて。
「あ、そういえばさ ─────…んっ」
何かを思い出したかのように俺に顔を向けた舞の唇に、思わず触れてしまった。
「な、に。急に…」
「なんか、つい」
突然の出来事に顔を赤くした舞に、クスリと笑う。
「そういえば、何?」
「わ、忘れた…」
「ははっ、バーカ」
「誰のせいだと…!」
ムキになって睨んでるのかもしれないけど、そんなの可愛いだけ。