好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
あぁ、もう。
身体がこうも反応してしまっては認めざるを得ないじゃないか。
「よし、今日も送ってってやるか」
「イヤイヤ言うなら遠慮しまーす」
「ったく、可愛くねぇな」
そうは言うけど、そんなの建前。
言えるわけがない。
中学から一緒にバカやって来た大の親友に今更、可愛いよ、だなんて。
高校に入って、舞は確実に可愛くなった。
化粧もして、髪もアレンジして、私服だってお洒落にして。
中学まではどちらかといえば大人しい部類だったこいつは、気付けば俺と同類になっていたんだ。
来る者拒まず去る者追わず、なんてこいつには似合わない。