好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「明日からいよいよ2年生だねー」
「まーたお前と同じクラスになったりして」
「えー。桐コンビ永久に不滅?」
「ふはっ、なんで疑問系なんだよ!」
吹き出す大志に私まで釣られてケラケラと笑う。
中学で出会った大志と私は、中学1年生の頃から高校1年生まで綺麗にクラスが同じだった。
桐原と桐谷で出席番号も必ず前後。
"桐コンビ"、だなんて誰がつけたかも分からない愛称で呼ばれているのも中1からのことで、なんだかんだ私はこっそりそれを気に入っている。
「ま、どーせまた一緒なんだろうな」
「嬉しいんでしょ?」
「バーカ。それはお前だろ?」
う、と一瞬言葉を詰まらせるけどそこは演技。
「べっつに〜?」
可愛げのない返事を返せば、案の定大志は「可愛くねー」とバカにした。
─────RRrrr…
「あ、ユカリ」
「…っ!」
突然、大志のスマホが鳴った。
それを見た大志から出た名前に、少なからず体が反応してしまう。