好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
…って、もうこれ完全に惚れてるじゃん。
まじかよ。
自覚せざるを得ないところまで感情が進んでは、もうそれは完全に恋だ。
「タイミングは桐谷に任せるわ」
「おう」
みんなでそう話したところで、昼休みは終わった。
「なーに難しい顔してんのよ」
「別に?」
席に座れば、前の席の舞は振り返って俺に話しかける。
まだ4月のうちは、桐原、桐谷で出席番号順の席だ。
「ふーん。あ、今日バイト休みだから一緒に帰ろうよ」
「おう……って、え!?」
舞が何か言ったから、返事をする。
いつもなら聞いてるはずの内容を聞かずに返事してから、それを後悔した。