好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
握られている手が、熱い。
そっと、空いているもう片方の手で更に握られた手を包んだ。
「早く、良くなって」
こんなこと、絶対に正常な大志の前ではできない。
初めて強く感じた彼の手の熱を、私はずっと感じ取っていた。
***
「……い、舞」
「ん…」
どれくらい時間が経ったんだろう。
大志の呼ぶ声が聞こえて、私は目を覚ました。
「お前、寝すぎ」
「…!?!?」
目を開けると目の前にドアップの大志の顔があって、私は瞬間的にその場から離れる。
が、手が繋がっていてその距離に限度があった。