好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「ちょ、手!!」
「ん?あぁ、悪りぃ」
私の言葉まで気付いていなかったのか、悪びれる様子もなくパッと離す大志。
いけない。うっかり寝ちゃってたんだ、私。
慌ててスマホを開けば、もうとっくに21時を過ぎている。
「舞のおかげで大分良くなった。ありがとな」
けど、それよりも目の前のバカの熱が引いたことの安心の方が強かった。
「心配させないでよね、バカ」
「ははっ、悪りぃ悪りぃ」
うん、笑う元気があるならもう大丈夫だ。
一応確認として、大志の額に手を触れる。
「…ッ」
「うん、大分下がったね」
触った感じも、私が来た頃よりは落ち着いた様子だった。