好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「だーかーら!お前はもう少し自覚しろっての!」
「だから、何をよ!」
もうすっかり大志の熱は下がり切っていることだろう。
だって、こんなに大声が出せるんだから。
だけど、次に熱くなるのは私の番だった。
「看病してる相手が、自分を好きな男だってことをだよ!」
「……っ!?」
まさかの、だった。
不意だった。
いきなりのその言葉に、さっきまで息をするかのように出てきていた喧嘩言葉が詰まってしまう。
「な、な、な…っ」
「ったく、気付くの遅ぇんだよ」
「〜…ッ」
ふいっと顔を逸らす大志も大志で、耳が赤い。
それが分かるからこそ、何故かその瞬間になって、すんなり昨日の大志の告白を受け入れることができた。