好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
◇ ぎこちない初デート
それから数日経って、4月から5月になった頃。
「……やっぱり、何も変わってなくない?」
「莉里もそう思う?」
昼休みにお弁当を食べている最中、目の前に座る莉里は私にそう言った。
その視線の先には、クラスの男友達にかこまれてわいわいと騒いでいる病みあがりのバカ大志がいる。
「本当に付き合ってるんだよね?舞と大志くん」
「うん、まぁ」
あの看病の日の翌日、私は速攻で莉里に大志と付き合ったことを伝えた。
その時こそは大声で叫ばれるくらい驚かれたけれど、今はもうこの通り疑われている始末。
私自身も、付き合ってるのかよく分からなくなってきてしまったいた。