好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
まさか大志も私と同じ発言をするとは思わなかった。
このバカと思考が同じだなんて。悔しいのか嬉しいのか、結構複雑。
「デートとかすればいいのに」
「「デート?」」
莉里の言葉に私たちの声が被ってしまい、思わず顔を見合わせる。
ここまで同じだともう末期だ。
「そう、デート。付き合ってからまだしてないでしょ?」
「うーん、それは確かに…」
思い返してみても、まだカップルとしてのデートはしたことがない。
でもまぁ、付き合う前から2人で出かけることはよくあったけどね。
「よし、舞」
「っ!」
突然、大志の腕が私の肩に回った。
ドキッと鳴る胸を必死で誤魔化す。