好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



***



「変じゃない、よね…?」



デートを約束したその週の土曜日。


私と大志は、いわゆる初デートをすることになった。



10時に大志がうちに迎えに来る。


今はその1時間前。


私は、部屋の鏡に映る自分の格好を念入りにチェックしていた。




寒色系の花柄ワンピースに、ピンクベージュのロングカーデ。


肩まである髪はふんわりと巻いてハーフアップにした。


あとはこれに、ベージュのヒール低めなブーティーを履いて、ブラウンのバッグを持てば完璧。




相手は大志…だと分かっているのにここまで入念なチェックをするのは、確実に昨日の莉里の言葉があるからだ。



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