好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



"友達同士のお出かけ" とは違う格好をすること。



それが昨日の莉里の口癖だった。




『大志くんをドキッとさせたくないの?させたいでしょ?だったら、服装は絶対ワンピースだから』


滅多に着ないワンピースを今日の服に選択したのも、莉里のアドバイス。



制服以外で、大志の前でスカートなんて履いたことがない。


今まで2人で出かける時の服装は全てパンツ系だったもん。




「うわ、無理。緊張する…」



刻々と時間が迫って来るにつれ、謎の緊張に襲われる。



相手は大志なのに。あの、大志なのに。



それなのにこうも緊張してしまう自分の乙女加減に呆れながら、私は大志が迎えに来るのを待った。




< 61 / 280 >

この作品をシェア

pagetop