好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「…珍しい格好してんね」
「…別に、普通でしょ」
10時ちょうどになって、大志はやって来た。
会うなり第一声で服装のことを言われ、咄嗟に可愛くない返事が出てしまう。
普通って、普通じゃないでしょ。
あんだけ悩んだくせに。
大志は相変わらずオシャレだった。
こいつは、悔しいことになんでも似合う。
黒のボトムに、白シャツ。そして上にカーキ色のMA-1。
あぁもう、カッコ良すぎてムカつく。