好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
◇ 何でも話せる人
「大志、今日私バイトだから先帰るね」
「おう、気をつけてな」
「うん、ありがとー」
学校が終わって、放課後になった。
今日はバイトの日だから、私達は一緒に帰らない。
大志がCATのパンを食べたいという時は一緒に行くけど、基本的にCATの場所は私も大志も家と反対方向だから。
「おはようございまーす」
「おう、舞ちゃん。学校お疲れさん」
CATに着けば、厨房から店長が顔を覗かせて挨拶をしてくれる。
店長も他の職人さんもホールスタッフさんも、みんながみんないい人ばかりであるこの場所は、私の大好きな空間だ。