好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
Chapter 3*
◇ 他のことなんて考えるなよ
「舞ちゃーん、ちょっといい?」
「はーい」
とある土曜ののバイトの日。
今日は朝から夕方までの長めの出勤で、私は稼ぐ気満々だった。
そんな私を、厨房から店長が呼ぶ。
藤田さんのこともあって、あの時は店長にも、他の職人さんにもスタッフさんにも「気付かなくてごめんね」と謝られた。
本当、私はいいバイト先に恵まれたと思う。
「店長、なんですか?」
「あぁ。悪いね、急に呼んで」
厨房に入れば、店長とその横に知らない男の人が1人いた。
大学生だろうか?
背も高く、ブラウンの髪色のその人は、少しかっこよく見える。