この恋の行き先は
「初っ!初、初っっ!!」

振り向かない彼女へ、必死に叫ぶ。

それでも初だけはオレ、諦められないんだ。

「初っ!助けて。オレ、初がいないと生きていけない!」

立ち止まる初。

真後ろに立つオレ。

「初っ、お願い。助けて…。」

情けないけど、涙が止まらない。

『…今だけよ。1ヶ月近く会ってなかったじゃない。それが日に日に増えて、最終的には平気になるわ。辛く感じるのは今だけよ。』

「違うっ!明日も明後日も一年後も十年後もツライ!…それだけはわかるんだよ。」

そうだ、どんなに時が経っても変わらない。

この1ヶ月も悩みながらも、辛くてしょうがなかったんだから。

お願いだ、初。

みっともなくすがりつくオレにどうか、明日も明後日も十年後もほだされて。

諦めて、オレの傍にいて。


end
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