花歌う、君の空。
─────へっ………?
もう殆どショート状態の頭をフル回転させ、必死でその言葉の意味を考えようとするが、目の前の彼は興奮気味で、そんな隙さえも与えてくれない。
「………話してみたかったって……私に?………み、湊くんが…?」
「はい、あの………迷惑、でしょうか?」
私が戸惑っていると、湊くんは不意に困ったような顔をして上目遣いでそう尋ねてくる。もう可愛いなんてレベルじゃない。悩殺兵器だ。
「全っ然迷惑じゃないです!むしろ、あの、ありがとうございます!!!」
湊くんに悩殺された私はもう何が何だか分からない感じになり、思ったことをそのまま口走ったが、変な人みたいになってしまっただろうか。
だが湊くんは特に気にする様子もなく、ただ私の言葉にぱぁっと表情を明るくした。
「じゃあまた、声をかけてもいいですか!?」
「も、もちろん…!」
「よっしゃ!」
湊くんは小さくガッツポーズをすると、私の顔を見て満足そうに微笑んだ。
最初に声を掛けられた時のようなどこか悲しげな表情はもうそこには無く。無邪気な子供のような笑顔に、私も自然と笑が零れた。