神様、私を消さないで
鈴木広代は？と見ると、手早くカバンに荷物を詰めて教室から出ていってしまった。


なんだか受け入れられていない感じがイヤだな……。


単なる人見知りとは違う、あからさまな拒絶を感じてしまったし、実際にそうだったのだと思う。

気にしながらも、興奮した声のほうへ顔を向けた。


「東京なんてすごいね！」


大田雅美がキャラにたがわず菓子パンを食べていた。


「ぜんぜん想像と違うよ。東京っていっても都会じゃないから」


「それでもすごいよぉ。あー、うらやましい」


雅美が楽しそうに笑うので、なんだかホッとした。

その横に立っている河原亜弥子の表情も優しげ。


「私たちはこの村からあまり出たことがないから、いろいろ話聞かせてね」


「うん」


ガタッと音がしたのでそちらを見ると、樋口大和も帰るのか席から立ってカバンを肩にかけたところだった。
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