神様、私を消さないで
大和は無愛想だったけれど、整った顔にスポーツでもやっているかのような褐色の肌が印象的だった。

雅美の言うように、たしかにかっこいいかもしれない。


「雅美は色気より食い気のほうが優先でしょ」


亜弥子の冗談に雅美は、「あ、そっか」なんて言うから思わず私も笑ってしまった。

あ……。

私、今自然に笑えている……。


「結愛はどこに住んでいるの?」


長い髪を窓からの風に揺らせながら、亜弥子が呼び捨てで言ったから、私は笑顔のまま固まってしまう。


「あ、いきなり呼び捨てなんて気にするよね。ごめんね?」


「ううん。ちょっと……驚いただけ」


正直に告白した。

すると、雅美がその大きな顔にある小さな目を輝かせた。


「あたしも呼びたい! 結愛っていい名前だし」


「もちろん」


今度は遅れずに答えられた。
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