神様、私を消さないで
4月4日、曇り。


人の良さそうな校長先生の横で私は唖然としていた。

校庭には40人くらいの生徒がいて、朝礼台に立っている私たちを見てくる。

なんだか動物園の動物になった気分。


「というわけで、新学期早々この村にうれしい出来事がありました」


さっきからマイクも使わずに笑顔でしゃべっているのは、この中学校の校長先生。


「ここにいるふたりが、今日からわが校の生徒になったのです」


初老の校長先生の言葉に、一斉に拍手が鳴ったので軽く頭を下げた。


わが校って……これで全部?


あらためて眺めると、私が着ているのと同じ制服姿なのは20人もいない。
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