神様、私を消さないで
過疎化が進んでいるのか、中学生全部を合わせても1クラスにも満たないくらいの人数だし。


「……やだな」


ボソッとつぶやいた声をあわてて咳でごまかした。

その音にすら、一斉に視線が集まるような気がして目線を落とした。

これからここで暮らしていくなんて、悲劇としか言いようがないよ。

薄暗い廊下を歩く。


――ギシ、ギシ。


踏みしめるたびに、木が悲鳴をあげているような音がして、おそるおそる足を踏み出してしまう。

隣を歩いているのは、さっきの校長先生。

彼は担任も兼務していて、さらには国語と社会の科目も担当しているとのこと。

生徒が少なければ先生も少ないってことなのだろうけれど、なんだか大変そう。


名前は聞いたけれど覚えていない。
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