神様、私を消さないで
「驚きましたか?」


考えを先読みしたかのように校長先生が言うので、素直にうなずいた。


いくらなんでも少なすぎる……。


ため息を落としながら、気づけば教壇に立たされいた。


「先ほども紹介したとおり、今日から仲間になる空野結愛さんと樋口大和さんです」


たった3人の拍手ががらんとした教室にむなしく響いた。

いや、よく観察すると端にいる女子は手すら叩いていない。

こんなに同級生が少ないなんて、悪い夢のようだ。

だけど、この村に来たときからそんな予感があったのはたしか。

それくらい子供の姿をほとんど見かけなかったから。


それでも、ここまで少ないとは……。
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