Tell*You
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*
君に……伝えたいことがあります。
でも、伝えられなくて。
伝えたいのはたったの2文字なのに言ってしまえば……
この関係が崩れてしまいそうで。
終わってしまいそうで……。
だから今日も……なんでもないフリをする。
はず……だったんだ……
【Tell*You】
今朝は、また雨。
やっと3日間晴れが続いたと思えばすぐに雨。
雨は嫌いじゃないけど、お年頃になってくると湿気が髪の毛を襲いにやってくることが気掛かりで。
「璃乃また忘れ物してたぞ、ほら」
「え、うそ!
ありがと、陽汰!」
「よっ、熟年夫婦!
相変わらず朝からラブラブだなぁ、このこのー」
「い、いやいや!!
陽汰はただの幼なじみだし!
それにこんな奴意識なんてしないし!」
「……はぁ。
それはこっちも同じ」
……意地っ張りは損をする。
登校時、クラスメートの男子のからかいが恥ずかしくてつい本心とは逆の言葉を放って。
幼なじみである島崎陽汰のそんな呆れたような口調の返事の言葉にまたやってしまったと内心落ち込む。
本当は陽汰のことが好きなのに……。
可能性があるなら告白だって付き合ったりしてみたい。
でも口から出てくるのは意地を張った可愛くもない言葉だらけ。
言葉と心がちぐはぐで苦しい。
昔から意地っ張りで損ばっかり。
直したいのに、直せない。
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