イジワル男子の甘い声
テスト
*
*
キーンコーンカーンコーン
「終わったーー!」
「カラオケで打ち上げしようー!」
あっという間にやってきたテストの全日程が終了した放課後。
みんな大きく伸びをして、テストからの開放感を味わっている。
「双葉ももちろん来るよね!」
「えっ、」
ミカに肩を掴まれて、固まる。
「sakuのために一番頑張ってたからね〜」
「手応えはどうなのよ」
グループのみんなに囲まれながら、私は、誰よりも先に教室を後にする背中を見逃さなかった。
「ごめん、打ち上げ先行っといて!ちょっと用事思い出した!」
「はっ、双葉?」
「最近よく走って出ていくね〜あの子」
みんながそんな会話をしてるなんて知らず、輪の中から飛び出して、廊下に出る。