イジワル男子の甘い声
「俺の顔見るたんびにすっごい顔して睨んだり嫌いだとか騒ぐけど、これを教えたってことは相当俺のこと好きなんだと思うよ、あいつ」
「は、はぁ…」
すごいなぁ。
柏場がノアを睨んだのを見たのは、初めてスーパーであったあの一度だけだけど、あんな風に睨まれててよくそうポジティブに考えられるな、と言いますか。
それから私のパフェが空っぽになってからもノアは、柏場の話以外もたくさんしてくれた。
教えられる範囲で仕事の話とか、モデルになったきっかけとか。
「今日は、本当にありがとうございました」
ノアにパフェをごちそうになって、彼の車に乗り、マンションの入り口に着くまで、完全に、
朝にしたパパとの電話を忘れていたのだった。