イジワル男子の甘い声
すれ違い
「はぁ…」
「ちょっと双葉〜あんたやっぱりまだ本調子じゃないんじゃないの?」
翌日、重たい身体を引きずって自分の席に着くと、ミカが心配そうに私の顔を覗いた。
「普段勉強しない人が急にやりだしてあんな点数とったらそりゃ頭も身体もびっくりするわよ」
「ん〜…」
机の上に頬を預けて唸る。
そんなんじゃないんだよミカさん。
「でもよかったじゃん!sakuを無事守れて!」
「っ、」
みんな口々とそういうけど。
それが一番の問題なんだよ。
昨日、ノアは私に柏場を説得してほしいなんてことを言ったけど、そんな余裕どこにもない。
相変わらずパパは家に帰ってこないし。
昨日の電話からして、私がズル休みしたこと、まだ相当怒っているだろう。