イジワル男子の甘い声
「うん。ちゃんと受け入れつつあるよ。柏場の声だってわかって聞いても、やっぱりいいなって思った」
「ふーん」
少しだけ目を細めてこちらを見る柏場。
なんなんだその顔は。
少し笑みを含んでいる気もするし。
「え、あ、いや、あのそうじゃなくて!声だけだからね!声だけ!それ以外はほんと…」
「どの口が言ってんだよ。こっちだってお前の料理以外受け付けねーよ」
「っ、」
キーーー!
ほんっといちいちいちいち余計だな!!
だけど…。
料理は受け入れてくれるんだ、なんて。
内心にやけそうなほど嬉しくなって。
なんだろう、この気持ち。
柏場の中で、ちゃんと私の一部が認められていることが嬉しい。
「今日体育あるし、いっぱい食べて頑張ってね!柏場くん!」
「いや、万全の体調じゃないから見学するけど。っていうかお前の方が食べてんじゃん。これ以上食べたら太り過ぎで走れなくなるぞ」
前言撤回。
「食べっぷりいい子の方が男の人は好きなんですぅ〜」
「どんだけ食べても痩せてたら、の話だろ」
「っ…」
キィーーー!!